15夜通信 / しっとり

シドニー・ポラック監督の映画を表す時に思わず多用してしまう表現に 「しっとり」 という言葉があります.
この言葉自体の意味から考えると必ずしも適切ではないかもしれませんが,空気に適度な湿り気を感じる
その絵の向こう側に広がった「しっとり」とした大人の世界観.

ロバート・レッドフォードと音楽デイブ・グルーシンとのトリオが包む数々の作品に魅了されました.
「酔わせる」というジャンルが映画にあるとすれば,その大先生と言っていいですし,小生の中でエイドリアン・ラインと双璧です.

気持ちを言葉ですぐに吐露してしまう昨今の恋愛観に最高の教材.
本当に残念です.

慎んでご冥福をお祈りいたします.( 2008.5.26 )

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