15夜通信 / アクシデントではない

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パトリシア・アークエット主演
ジェイク・ウェバー / ミゲル・サンドヴァル

原題 「 MEDIUM 」
邦題 「ミディアム – シーズン1 -」
2006.7.4 TV-WOWOW アメリカ(2005) 685min カラー / HD1.78:1
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アラバマを払拭する新たなP・アークエット! 母強し!!
見れば見るほど,その面白さのカラクリがわからなくなる… .


「映画はドラマであって,アクシデントではない」

小津安二郎監督の有名な言葉だが,その意味をかみ締める. この作品は派手なアクションや思わせぶりな演出等,
この系統の作品に顕著にみられる光景がまるっきりない. あるのは,15屋でも垣間見る日常と子連れならわかる
精度の高いリアリティ… . (^^;

非常に完成度の高いシナリオに,的を得た演出. 味のある,また高い技術を持つ脇役たち.
でもそういう褒め言葉なら,該当する作品はいくらでもあるのだけど,この作品にはそれにプラスアルファを感じたりする.
でも不思議にそれがどの部分なのか,何に起因するものなのかが皆目わからず,最近シーズン2に入った. (-_-)
シーズン2も順調だ. テンションは落ちていない.
引き続き同じものを使用しているオープニングクレジットも小生も大好きなタッチ.
楽しく見れればそれでいいじゃないと,通りすぎたいのはヤマヤマだけど,その秘密が,何だかとても大事な気がしている.

制作上,「解釈」は絶対必須の能力なのだけれど,映像の場合,それをどのように絵に「変換」するかが,個々のセンスに依存する.
その「変換」が,実は日本の今の映像業界で最も深刻な問題だと小生は感じる.

カメラは軽く,レンズは明るくなり,デジタルプロセスでの映像制作はたいへん効率的になった.
しかし,その効率と引き換えに失いつつあるところの部分が,実は映像,映画の肝であることは想像に難くないと思う.
その「変換」に対する,もっとも現代的な「解釈」がこの作品には詰まっている気がしてならない.
そしてそれが「面白い」というこの世で最も生理的で,映画で一番大切な,例えば食の世界で言えば「美味しい」と同じくらい
シンプルな心持ちを獲得することに,単純な凄さを感じてしまう. (^^

こういう作品だけに,その意味を考えてしまう今日この頃.
と,それを大義名分につつ,TSUTAYA東村山にせっせと売上げ貢献している自分がちょっとかわいい. (^^;

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