15夜通信 / くわえ煙草のスヌーピー

小生がこの世界に憧れるキッカケを作った方の一人が市川崑監督でした.
偶然ですが,昨年暮れにご一緒した撮影部さんが市川組の方でした.
ファーストを担当した「四十七人の刺客」や新しい「八つ墓村」の撮影の時のエピソードを時折冗談まじりに話してくださいました.
常にFを絞りたがるので光量の計算が大変で,照明部と結託して監督を説得したとか,とにかく話題が尽きません.
傑作だったのが,市川組の現場には新品の上着を着ていけないというものでした.
撮影助手さんは,右の肩がすぐに焦げてしまうのだそうです… .市川監督の人と成りをご存知の方は何故かおわかりですよね.
小生がもっと若い時から,非常にお世話になっている撮監協会の大ベテランの方は,「東京オリンピック」の撮影部のおひとりでした.
「あっしには関わりがねぇこって」
そう強がって言いたいところですが,訃報にただただ残念でなりません.
慎んでご冥福をお祈りいたします. ( 2008.2.13 )

2008.2.29 追記 >>”15夜通信 / 男・三之介”

Comments

  1. 恵美 says:

    引き続いてのコメントで、おやかましくってごめんなさい ^^;。
    監督のエピソードは、お仲間内で尽きないのでしょうね。
    市川崑監督の作品が好きでしたから、楽しいお話をお聞かせいただけ、幸せに思います。
    ありがとうございます。
    たくさんの思い出をどうぞ皆さんで共有してください。監督の心意気や技を踏まえた次世代の素晴しい映画人たちの活躍を期待しています!

  2. gauche says:

    > 恵美さん
    何度でもいらしてくださいませ.(笑)
    岡本喜八監督,今村昌平監督,そして市川崑監督とつひに小生の中の邦画の巨星が消えました.
    映画を作らずとも,ぜひ後見をしていて頂きたかったと心底思います.
    今あるものを疑い,新しく再構築する時がいよいよ来たのだなと実感いたします.

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