15夜通信 / とぼけた感じ

昨日,北村和夫さんがお亡くなりになりました.( 2007.5.6 )

とても大好きな役者さんでした.
久々の15夜に準備していた記事もありましたが,思わず筆を取っています.

「にっぽん昆虫記」や「神々の深き欲望」など一連の今平作品は印象的.
生前,今村監督が「オレにはまだ,北村も小沢もいる」とおっしゃっていましたが,もう小沢昭一さんだけに
なってしまいました… ,なんとも寂しいです.

近年では昨年の大河,「功名が辻」の有名なエピソード〝十両の馬〟の商人役が,おそらく小生が見た最後のお仕事となりました.
その昔,撮影所には切られ役専門の「大部屋」という役者の卵集団があり,後年そこから様々な名バイプレーヤーが
生まれましたが,北村さんはいわゆる正統派な流れのバイプレーヤーとして存在した落ち着きがあります.

小林桂樹さんとも似た「とぼけた」感じの出せる稀有な方だったと,僭越ながら拝見しておりました.
黒澤監督の「天国と地獄」で共演されている同じ文学座の加藤武さんが葬儀委員長をされるとのこと… .
同作品で加藤さんは若い刑事役でしたが,北村さんは聞屋の役だったと記憶しています.

何とも感慨深い気がいたします.
慎んでご冥福をお祈りいたします.

Comments

  1. ぴろ式 says:

    北村さんの出演作で、ぴろ式が一番印象に残ってる作品は「黒い雨」です。原爆の被害に曝されてしまったごく普通の市民の日常を淡々と演じられていたのが、かえって深い感銘を受けました。
    先日も私が好きな岸田今日子さんが亡くなられたばかりなのに次々と印象深い俳優や監督がいなくなるのは実にさびしいですね。 合掌。

  2. gauche says:

    > ピロ式さん
    おはようございます. 早速のお立寄り,ありがとうございます.
    黒木監督,小生も好きです! 「黒い雨」のように,すでに結果のわかっている題材を演じるというのは
    テンションを保つが大変でしょうね. そこを「淡々と」見せるというのは凄いことだと改めて感じます.
    これからも末永くご贔屓にお願いします.

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