Number 節.

キテマス… .


小生が義務教育中の頃,一時期 「Number125:豪球列伝」 をバイブルとしておりました… . 表紙は,当時西武の郭泰源.

小生の敬愛するロッテの29番は小さい扱いでしたが,それを補って余りある内容でした.
それからスポーツジャーナリズムとは,というかジャーナリズムとは,「熱さ」ではなく,「愛」なのだと学んだ次第.

また,取材をする側とされる側の関係性において,この国の性分とも言える一過性の現象に便乗することなく,
一事が万事,継続する意志の大切さを学んだような気がします.
安易に「天才」という言葉を使ってはいけないということも,今なお小生が旨としているあたりに影響を受けていますよ.
小生は,決してNumber至上主義ではなく,あくまでそのライターのハート次第なのですが,
今でもたまに移動中の電車で読んでいて泣きそうになることがあります… .

久々に買ってしまいました.
冒頭の「永遠の革命者たちへ」は,Number節炸裂です.

そして,メインのイチローさんの記事… .
小生は,何かの折に小林秀雄さんのお話を出しますが,その意味でも文字がその意味通りではなく,
活字になった途端に発言者の意図と違うものになっているということは周知のことだと思います.
その上で幾重にも解釈しようとしましたが,今回の彼の言葉には初めて咀嚼できない部分が残りました.
また少し時間を置いて読んでみようと思います.

今回の記事では,HONDA-F1のお話と三浦知良さんのお話,それに谷亮子さんの記事がよかったですね.
特にHONDAのお話は面白かった!
ここ何年もF1は見ていませんでしたが,また見てみようかと思います. 小生がF1のことを注目するようになったのは,
その昔ウィリアムズ・ホンダというチームがあった折,ネルソン・ピケとナイジェル・マンセルが組んでいた時代です.
当時,ガソリンのCMか何かで,この同一チームの2人がイギリスのシルバーストーンで争う様子のVが使われていたのを
印象的に覚えています. そして当時は,CXによるこれほどの中継もありませんでしたし,いくつかのレースだけしか,
映像で触れ合う機会がありません. 当然,まわりの友達も知る由もなく,ほとんど話題にすらできなかったです.
その後,社会的な現象にまで発展していくわけですが,その辺りから小生は徐々に手を引いていった感じですね.
しかし今,エンジン供給だけでなしに純正チームを組織して,タイヤもBSを履いて… ,なんてことを目の当たりにすると,
ふつふつと昔見始めた時のドキドキが蘇ってきます.

先日のフィギュアの高橋大介選手や安藤美姫選手の活躍のように,海外の選手と競って結果を出した人たちは
もちろんですが,まだ結果が出ていなかったり,また出たけれどそれが本意の結果ではなかった人々も含めて,
未知の地で挑戦をしている行為そのものが小生には尊いと感じます.
小澤征爾さんも,日本では報道されない厳しい評価に晒されながらも踏みとどまって続けている.
翻って,小生はどうか.

スポーツの場合,いつでも勝ちと負けのどちらかしかないところがシリアスですが,それを変に擁護したり,
励ましたりするのは違うと思います. つまりその立場は,傍観者を決めこんだものに過ぎないからです.

昔,「ダンサー・イン・ザ・ダーク」というラース・フォントリア監督の映画がありましたが,あれを映画館で見た時に
ラストシーンで場内のいろいろなところですすり泣きが聞こえてきたのを今でも覚えています.
小生夫婦は映画館を出た後,あれは違うよねと話していました. あのラストを見て人前を憚らず泣けるというのは,
どこか自分の身に同じことは起きないという高を括った,高みからの視線だと思います.
もし自分が同じような目にあっていて,あのシーンを見たら,その悔しさに泣くことはあっても,可哀相とは泣きません.
まぁ,好みの話ですけどね.

Numberで小生が共感する記事は,所詮どんな美辞麗句を並べても,競技者本人の真意はわからないし,
またそれをわかると安易に言うべきでもないという立場をとりながら,やはりその傍観者から一歩でも出ようという
リスクを負うライターのものかな.

山があって,それを見る人か登る人かで分かれると思いますが,小生は恥をかいても登る側にいれるよう,精進したいと思います.

Comments

  1. 村上 says:

    この前、「僕らの音楽」でイチローが椎名林檎との対談で、切実に語っていた言葉の中で、「体についた贅肉以上に、精神についた贅肉は取れない。これがまた厄介で・・・・。」といったようなことを行っていました。おれ自身も体の贅肉は人一倍近年蓄積していますが、心はいつも挑戦者のつもりで、少し慰められた気がしました。「意思なきところに道なし。」自分の理想を持って、いつも渇望していきたいと思っています。

  2. gauche says:

    > 村上さま
    この前は少しの間でも会えてよかったです! 体についた贅肉… 小生も最近,家内から食事制限気味.(笑)
    精神についた贅肉… 耳に痛い言葉ですな.なかなか儘ならないことが多いと思いますが,それはお互いさまということで,
    心のままに行きましょう! しかし,たまにはお互い傷の舐めあいもよかと.

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