salon 後記 -丙戌-

東京は西方,東村山という場所に越して1年ちょっと.
早いもので,2度めの大晦日を迎えます.

もともと小生の仕事のサイトで不定期コラムとしてやってきたものを引き継ぐ形で,このブログは始めたものでした.
ブログという匿名の世界の持つ,独特な厭らしさに辟易とした時期もありました.
でも,鶴はどこの世界にもいるものですね. そうした方たちのサイトや温かいコメントに支えられて,何とか続けてこれました.

本当に,ありがとうございます!


今年15屋の一番のニュースは,何と言っても家族が増えたこと!

9月に小平霊園を散歩していたら,生まれてまだ3ヶ月ほどのガリガリに痩せた
2匹のネコに出会う.
毛色は全く違うが,おそらく双子.妻と子どもの脅迫に近いお願いに,
徳を積むことになりました.
もともと15屋には,妻の連れ子で,今10才ほどのネコがおり,その関係性が
心配されましたが,何とか最近にはこういう絵も見ることができるところまで来ました.

いやぁ,嬉しい.家の中が明るく,以前にも増して笑い声がたつようになり,今ではいないことが考えられない存在ですよ!
でもこの時期の台所では,妻とチビ2匹の「お節のオデッサ」ともいうべき戦いが繰り広げられております… .

映画は 「グエムル」 を見ることができたことに尽きますね.

小生とほぼ同世代の監督の深い洞察と丁寧な演出は,前作「殺人の追憶」で
立証済みですが,今回の作品も新たな境地を拓いたといえるでしょう.
日本のそれを鑑み,羨望の眼差しに拍車がかかるエンジン音が聞こえます.
「演出する」ということの矛先が,どこか違ってしまった今の邦画の世界に
批評している暇などありません.
少し前に「ラスト・サムライ」という映画があったり,イーストウッド監督の新作など,
本来日本で作られなければならない品格の作品が外国で制作され始めました.
その作品の良し悪しや重箱の隅をつつくような言葉を論じている場合ではなく,
危機感と戦後に隠蔽された大和魂を取り戻すことが急務と感じた1年だった気がします.

その中,アメリカ至上主義の映画界でそれを取り入れつつ,狡猾に祖国の色と味,
匂いをどのように作品に出していくかという一つのモデルをポン・ジュノ監督は示したと嫉妬しつつ思うところです.

東村山というところは,新宿から電車で30分ほどの距離で,狭山丘陵や多摩湖を
背景に,八国山等の緑にも恵まれ,うどんがとても美味しいところです.
地元の青年会議所の皆さんのガンバリで,今年はメディアへの露出も盛んでした!
また,市民意識の向上にも未来を感じつつ,改めて「継続は力なり」という
言葉を思い出します.

元来,歴史を顧みても日本人の特性ゆえ,「現象」で事を終わらせていくことを
知らずうちに好しとしてきましたね.

これを今一度,反芻しつつ,来年の干支が「丁亥」だけに一層強い手綱を引かねばと,
お屠蘇を飲む前に考えたいと思う年の瀬であります.

本年,15夜 にお立寄りいただきました全ての方に感謝申し上げるとともに,その全ての人生に追い風が吹くことを願いつつ.
来年も何卒ご贔屓に,よろしくお願いいたします.

15屋主人 ゴーシュ

Comments

  1. 恵美 says:

    ゴーシュさま、ご無沙汰しております!お帰りなさい。
    お忙しいのだとは思いながら・・・ダイコンのその後が気になって気になって(笑)、ベランダにずーっと吊られているダイコンを眺めておりました。
    う~~む!「紅白うどん」「寿うどん」キャッチーなお写真を、ありがとうございます ^^ 。またまた気になる~~(笑)食べてみましたか?
    今年はお世話になりました。
    よいお年をお迎えください。来年もまた!よろしくお願いいたします。

  2. モカ次郎 says:

    新年あけましておめでとうございます。
    ネコちゃん、可愛いですね。
    私のほうの映画ブログは、放置状態です(^^;)。
    ゴーシュさんにとって幸多き一年となりますように!

  3. gauche says:

    あけましておめでとうございます.

    > 恵美さん
    本年もよろしくお願いします. ダイコンは… ,実は失敗しました.(涙)
    しかし,半分はべったら漬けに,もう半分は切干にして,事なきを得ました. 紅白うどんは一昨年に続き,
    年末の恒例になりつつあります. 深川木場に住んでいた頃は,迷いなくそばでしたが,ここ東村山に越してからは
    郷に従いました. 年越しの具だくさん鍋焼きも乙ですよ.

    > モカ次郎さん
    ずいぶんとご無沙汰になってしまいましたね. 本年も引き続き,よろしくお願いします.
    最近,頻繁に黒澤監督の作品を見ます.やはりあの見ごたえに匹敵する現代の邦画が皆無のせいでしょうね.
    昨年の後半は,徳島の案件でも仕事があり,その時モカ次郎さんのことを思い出したりしていました.
    ゆるりとしたスピードでもいいので,更新楽しみにしています!

  4. あいり says:

    gaucheさん
    >>人生に追い風が吹くことを
    胸をつかれるような素敵な表現ですね。
    追い風・・老い風ではなく、吹いてほしいです。笑
    今年もよろしくお願いいたします。

  5. gauche says:

    > あいりさん

    こちらこそよろしくお願いします. 老い風…グサッとくる表現です.(笑)
    好きな映画を好きなように書いて,もっといろんな人たちに見てもらいたい… そんなシンプルな想いだけでいいと思いますよ.
    更新頻度など気にせず,お互いゆる~りといきましょうね.

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