15夜通信 / 嫉妬する手練れ


ポン・ジュノ監督新作

原題「怪物 / THE HOST」
邦題「グエムル-漢江の怪物-」
2006.9.2 日本公開予定 / 120min カラー / Aビスタ

えへへ… ,ついに撮りましたね.


この作品の期待度や前評判などは検索により明らかになるけれど,
とにかくこの監督の出現そのものに小生は一番ショックを受けています!

前作「殺人の追憶」を見た時に,この若さであの演出ができる監督は,日本では皆無だと思いました.
もっと言えば,あの一連のファーストシーンからオープニングのクレジットのところまで見た時に,
この作品は最後まで見なければいけない作品だと感じましたね.
そして,その期待を裏切りません!!

まず丁寧に撮っていること. あとレンズの特性をよく把握していること.

この2つに尽きます.

監督として,また映像に携わる人間として,同業者は学ぶべきところは多々あるのでは?
作品の傾向やシナリオ等は個人の好みに依存しますし,時代性や宣伝云々は製作の力量次第.
つまり,絵や音ではなく,ましては文字でもない,映像という表現方法に対する根本的な姿勢について
日本はもっと勉強する必要を感じました.
そして,映画制作にとって何よりも大事なのはこれだけのお金と時間を,作る側,見る側どちらも拘束し,
それをよしとされる豊かな人間力であることをこの監督の若さが証明していますね.
豊かな人間力とは,どこの国に生まれ,育ち,どんな人に囲まれ,何を食べ,何を見聞きし,そしてそれを
どの程度意識してきたかということであり,年齢や肩書きに左右されるものではない….
逆に,その人間力がありきで,年齢や経験等が初めて意味を持ってくるといえましょう.

衣食住という根本的なものへの意識した考え,それに根ざした生活無しに,魅力ある動きはありえない!
魅力の薄い邦画に生活を示す映像や芝居がほとんど無いのはその証しです.
無いというより,作り手にそういう意味の生活がないのですから元から無理ですな.
ですから,よくある映画批評の映像的な資質や制作環境の指摘は,諸外国との比較の中ではナンセンス.
ましてや手法や機械の問題でもありませんね.

しかし何を言っても嫉妬以外の何ものでもありませんが,ポン・ジュノ監督の映画には韓国の香りがします.
それが全てです.

・kuma_lyaの情報局X
丁寧な情報力には感服!本新作のポスター5種も!!

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