15夜通信 / 確かな千鳥足

trailer !
ジョニー・デップ主演 新作

原題 「PIRATES OF THE CARIBBEAN:DEAD MAN’S CHEST」
邦題 「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」
2006.7.22 日本公開予定 / 151min カラー / シネスコ

西伊豆に松崎というところがあります… .


もうずいぶんと前になりますが,ここへ行くのに沼津から船で行きました. 乗船時間90分.

4年ほど前,撮影で上五島へ渡るのに高速船に乗りました. 乗船時間やはり90分.

昨年末に本真珠の撮影で伊勢志摩に行き,観光船を貸切りました. 乗船時間45分.

… っというか,海から陸に上がった時にとにかく足もとが揺れる揺れる!

こういう経験は小生だけでないはず !!
ジョニー・デップという人は,骨の髄まで海賊なジャック・スパロウという人生をあの陸での歩き方1つで表現してしまいました.

でも,漁船に乗っているおっちゃん達があのような歩き方をしているのを見たことがないでしょう?
一部カマっぽいとの評価もありますが(家人談),見た目の感覚として,わかりやすくその人間の人生を体現し,
動きに変換することが解釈であり,役者の仕事なのです.

それに,役によるブレスのタイミングの違いも見逃せません.
「シザーハンズ」「妹の恋人」「ギルバート・グレイプ」「デッドマン」「スリーピー・ホロウ」「シークレット・ウインドウ」
「ネバーランド」「チャーリーとチョコレート工場」etc… みんな息継ぎの間隔が違います.

日本ではセリフの抑揚が重要視されますが,それはナンセンスです.

声は骨格,肺活量,体の動線で決まるからです.この3つを表現できれば,自然に抑揚が生まれます.
特別気にしなくとも,これらの無数の組合せで,無数の人物が生まれるわけです.
当然これらを根本的に変えることは無理ですが. でも3つともその人物の生まれと育ちによって形成されるものなので,
これを想像力でとらえる作業こそ解釈,役者の仕事と言えるでしょう.
醍醐味というところでしょうか.

ジョニー・デップは,これらを感覚的に演じわけているように見えます.
しかし,それも彼の人柄がそう思わせているにすぎないのでは….
ヨーロッパの訓練された芝居技術とはまた違いますが,でも成り行きで演じているわけではなく,
人物の骨格のポイントを掴む才に長け,それを演じきる確かな技術も持っているのでしょう.
でなければ,競争の激しいアメリカではとっくに消えています.

小生も「スリーピー・ホロウ」の彼が好きだったのと「ロード・オブ・ザ・リング」のオーランド・ブルームが出演ということで,
前作は何となく見に行ったのですが,これが思いのほか面白い.というか,その面白さはジャック・スパロウの魅力そのものでした.
まさか3つも作るとは,関係者の誰も思わなかったでしょうが,間違いなく,このシリーズはジョニー・デップの
日本でのメジャー化になりました. メッキでない,確かな技術に裏打ちされてればこそ,当然といえば当然なのかもしれませんが,
主役も脇も両方できるスーパースターの誕生というところでしょうか… 今週末が楽しみですね!!

来年はこれの3作目のほか,「スパイダーマン3」もありますし,ニキータ・ミハルコフ監督の新作もありそう!
大作が目白押しの中,日本映画はいったいどのように戦うのか… ,見ものです.

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