InterBEE 2011 に思ふ

かつて,スタンリー・キューブリック監督が,”Barry Lyndon” で時代の空気感をリアルに再現するために,
もともと別の目的のために他業界で開発されたロウソクの炎のみを光源に撮影可能なレンズを探してきて
映画に使用したという有名なエピソードを反芻します.

そのシークエンス,絵を構築する上で,必要な道具,技術の割り出しを進めて,まずそういう機材の有無を確認し,
無ければ代用に値するものがあるのか,そして双方無ければ開発するのか,それともシーンとして諦めるのかという,
演出と撮影部さんや照明部さんとの,シナリオと絵のイメージを前提にした話し合いがあり,その上で
あとはプロデューサーサイドとの具体的な相談になるというのが私の考えるイメージなのですが,
そういう意味で何か新しい発見や,「それだ!」的な技術は,今回のメッセには少なかったように思います.

本来,目の肥えた(はずの)プロが見に行く専門見本市に,その人間たちを唸らせるような,
思わず体を乗り出すようなデモ映像やプレゼンに,今回はなかなか出会うことができず,何か機材有りきな,
そして絵が見えてこないものだったような気がしています.

心にしみるストーリーと,ドキドキワクワクするような映像を考えていく,そのイマジネーションの駆使を
試されているのだ感じました. 私がヘボければ,そういう機材しか寄って来ないのだと.

精進します! (^^

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