SR3



ダーレン・アロノフスキー監督 “BLACK SWAN”(2010 USA) の撮影は,なんと 16m/m.

そのメイン機材として,このARRIFLEX 16SR3 が使用されたとのこと. レンズは Zeiss Ultra 16.
他にも,同じく16m/m機材の416 や 5D,7Dもリストに載っているが,いずれにせよそれらのチョイスが,
決して価格ではなく,作品の世界観,撮影のネライ,シークエンスの特長が起点になっていることは明白.
日本だと,nac で同じ組み合わせができそうですね.アスペクトはシネマスコープ.
フィルムはFUJI ETERNA Vivid 160T と 500T で,ラボは Technicolor と DeLuxe をまたぐ.

手持ちのショットが多いにもかかわらず,作品としての重厚さと役者の芝居を的確につかむ
その丁寧な撮影設計には,16m/mということを全く感じさせません.
当たり前のことがきちんとなされるということが,如何に大切かを改めて感じます.

撮影に関しては,同じくネライで16m/m撮影が行われた内田吐夢監督の”飢餓海峡”を,
芝居に関しては,イザベル・アジャーニの”カミーユ・クローデル”を彷彿させる,実に素晴らしい映画でした.

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